何が発表され、何がまだ分かっていないのか。
気象庁の公開資料をもとに、今回の記録と過去の原因事例を分けて整理します。
M9.9の掲載記録はあります。
今回の原因は、まだ断定できません。
気象庁の公開記録には、M9.9の数値と警報の発表履歴が掲載されています。ただし、速報の推定値を、実際の地震の確定規模と同一視することはできません。[1][2][4]
「未確認」は、本稿で確認した資料の範囲を示します。気象庁が発表していない、あるいは取消しを行っていないという断定ではありません。
この記事の目次
緊急地震速報の発表を時系列で確認
緊急地震速報の公開記録から、主な更新を時刻順に抜き出しました。地震波の検知、予報、警報は、それぞれ別の時刻です。[2][3]
- 地震波を検知
気象庁の詳細ページに掲載されている地震波検知時刻です。
- 最初の予報を発表
マグニチュードの推定値は6.2。掲載されている最初の予報では、まだM9.9ではありません。
- マグニチュード欄が9.9に
公開記録では、この予報からマグニチュード欄が9.9となっています。
- 緊急地震速報(警報)を発表
予報の第17報に当たります。マグニチュード欄は9.9です。
- 警報の続報を発表
予報の第19報に当たり、マグニチュード欄は引き続き9.9です。
- 公開一覧に第42報を掲載
この時刻の予報も確認できます。この行を「取消しの時刻」と読み替えることはできません。
時系列の出典:気象庁の今回の警報・予報の詳細。すべて日本時間です。[2][3]
詳細ページの「地震発生日時」は12時36分、「震央地名」は千島列島と記載されていますが、いずれも同ページの速報値です。12時38分の検知時刻や12時40分の警報発表時刻とは区別してください。[2]
緊急地震速報の誤報と、予測の外れは違う
緊急地震速報の後に強い揺れが来なかったとしても、その理由は一つではありません。気象庁は、警報の取消しについて、次のように説明しています。[4]
「地震ではない信号を検知したこと」と「地震の揺れを大きく予測しすぎたこと」は別です。この区別からも、感じた揺れの大きさだけで、機器故障などの原因まで判断することはできません。[4]
なぜ起きる? 気象庁が公表した過去の原因
地震以外のノイズを検知する
1地点の処理結果で予報を出した後、所定の時間が経過しても2地点目の処理が行われない場合、気象庁は雷などのノイズと判断し、キャンセル報を発信します。ただし、観測点が少ない島などでは、実際の地震でもキャンセル報が出る場合があります。[4]
予報の仕組みの説明です。今回の警報の原因を示すものではありません。
機器とデータ処理の不具合が重なる
気象庁は、海底地震計からのデータに装置の障害で誤った時刻が付き、さらに処理の不具合で大きなノイズになったと公表しています。そのノイズを地震の揺れとして計算した結果、震度予想が過大になりました。[5]
装置の障害→処理の不具合で
大きなノイズに→揺れとして計算し
震度を過大予想
詳しい資料では、不正な時刻が付いた部分のデータを「0」に置き換えたため、見かけ上、急激な加速度変化が生じたように処理されたと説明しています。実際の振動だけでなく、データの扱い方も計算結果に影響した事例です。[5]
震源やマグニチュードを誤って推定する
気象庁は、本来と異なる房総半島南方沖に震源を決定し、マグニチュードを7.3と過大に推定したため、予測震度が過大になったと説明しています。震源推定の誤りが、過大な警報につながった事例です。[6]
これらは、気象庁が公表した過去の問題です。今回と同じ機器・処理に問題が起きたと示す資料ではありません。
震源地が間違っている可能性は?
過去には震源推定の誤りがありましたが、今回も誤ったと判断する根拠にはなりません。今回の予報では、第1報の推定位置は北緯44.6度・東経147.6度、深さ10km。第13報では北緯48.2度・東経153.4度、深さ140kmに更新されています。[3][6]
公開記録から分かるのは、速報の過程で推定値が変わったことです。その変化だけで、最終的な震源の正誤や、今回の原因までは判定できません。[3][4]
カムチャツカ半島付近の地震で、日本が揺れることはある
気象庁の2025年7月30日の発表では、カムチャツカ半島付近の地震により、北海道の一部で震度2、北海道から九州地方にかけて震度1を観測したとされています。遠方の地震による揺れが、日本で観測された事例はあります。[7]
また、震度は「その場所の揺れの強さ」、マグニチュードは「地震そのものの規模」です。地盤や地形によっても揺れは変わるため、距離がほぼ同じ地点でも震度が異なる場合があります。[8]
速報が鳴ったら、まず身の安全を
気象庁は、緊急地震速報を見聞きしたら、周囲の状況に応じて慌てず身の安全を確保するよう呼びかけています。屋内では頭を守り、丈夫な机の下など安全な場所へ。慌てて外へ飛び出さないことが基本です。[9]
震源から遠い場所では、強い揺れが届くまで時間がかかります。気象庁は、揺れが来なくても、速報を見聞きしてから1分程度は身を守るなど警戒するよう案内しています。[10]
このページは確認時点の資料を整理した記事です。リアルタイムの警報配信ではありません。
緊急地震速報の誤報について、よくある疑問
参照した気象庁の公式資料
本文の[数字]から、根拠となる気象庁の資料を別タブで確認できます。今回の記録と過去の事例は区別して掲載しています。
- 緊急地震速報(警報)発表状況2026年10月16日の掲載記録
- 今回の緊急地震速報(警報)の詳細警報第1報・第2報の時刻と速報値
- 今回の緊急地震速報(予報)の詳細予報第1報以降の推定値と更新履歴
- 緊急地震速報(警報)及び(予報)について推定値・発表条件・取消しの仕組み
- 2013年8月8日の過大な震度予想の原因と対処[PDF]2013年8月21日公表/機器とデータ処理の不具合
- 2020年7月30日に発表した緊急地震速報について本来と異なる震源の決定と過大予測
- 2025年7月30日のカムチャツカ半島付近の地震について遠方の地震で日本国内に揺れが伝わった過去の例
- 震度・マグニチュード・地震情報について震度と規模の違い・地盤などによる揺れの違い
- 緊急地震速報を見聞きしたときは周囲の状況に応じた安全確保
- 緊急地震速報について/よくある質問揺れが来ない場合の警戒時間
編集注:情報確認時点で取得できた気象庁の資料に基づいています。取消しの正確な時刻、今回の原因、函館の震度情報との関係は、個別の裏付けを取得できていません。過去の事例は今回の原因を意味しません。この記事は気象庁の公式ページではありません。
